とある旅人が犬と羊を連れて一日歩き、日が暮れてきたので泊まる場所を探していました。すうと、ちょうどいい小屋を見つけたのでそこで一夜を過ごそうと決めました。寝るにはまだ早かったためランプを点けて本を読んでいたが、ランプのオイルが切れて明かりが消えてしまいました。明かりを失ったので、旅人は早めに寝ることにしました。
その夜は悪いことが重なりました。連れていた犬は毒を持った虫に噛まれて死んでしまい、つれていた羊はオオカミがに殺されてしまいました。相棒を失った悲しみは一夜明けても晴れることはありませんが、旅人は旅を続けました。
少し歩いたところに村があり、立ち寄ったところ人影がありません。不思議に思い村を歩き回ったところ1人の村人を見つけたので話を聞くと、昨夜に盗賊が村を襲い人の命と金品を奪っていったとのことでした。
旅人は恐ろしさと悲しさで震えながらも思いました。もしランプが消えていなければ自分も盗賊に襲われていただろう。もし犬や羊が生きていたら、村の騒ぎに吠えたり音を立てたりしてこれまた盗賊に見つかっていただろう。
すべてを失ったからこそ自分は助かった。どんな災難が降りかかっても希望を見失ってはならない。最悪なことが実は最良なことだと信じなければならないと旅人は誓い、旅を続けました。
おしまい
新たな前の向き方
旅人はランプのオイルを失い、連れていた犬と羊を失ったからこそ助かりました。どれか1つでも失っていなかったら旅人は助かっていなかったでしょう。
つまり、失ったからこそそれ以上の最悪からは逃れられたのです。
私はこの物語を読んでから自分にとって嫌なことやツライことがあっても、もっと起こり得たひどいことを想像して「こうなるよりかは良かった」と意識するようにしました。そうすると、あまり感情的な行動を取らずに嫌なことがあっても冷静に対処できるようになった気がします。
失敗しても立ち直ろうという意味では【七転び八起き】という言葉が馴染みがあると思いますが、この物語の教えはそれとはまた違う立ち直り方であり前への向き方だと思います。
【七転び八起き】(ななころびやおき)
多くの失敗にもめげず、そのたびに奮起して立ち直ること。転じて、人生には浮き沈みが多いことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉(小学館))
むしろ私にとっては、【七転び八起き】よりも【失ったからこそそれ以上の最悪からは逃れられた】という考え方の方がしっくりきます。
奮起して立ち直るにはそれなりにエネルギーが必要です。それを失敗してツライ、悲しいって時に求めるよりは、それよりもヒドイ結果にならなくて良かったと思う方が私は早く立ち直れます。
あなたは、自分にとって嫌なことやツライことがあった時に、どのようにして立ち直りますか?
もしも、ずるずる引きずっちゃう、なかなか立ち直れないって方は、少し参考にしてみてはいかがでしょうか?
おわりに ~ スマホの充電が無くなったら…
私は最近、意識的になるべくスマホをいじらない時間を取るようにしています。そうするようになったキッカケを紹介させていただきます。
先日スマホを充電し忘れ、朝目覚めたら残り17%の状態でした。会社の車で運転中に充電すればいいやと思い、そのまま出勤。しかし車で充電する機器とコードを家に忘れ、職場に充電機器があるわけないのでその日は17%で過ごすことになりました。緊急の連絡に対応できるように、節電モードに切り替え、極力スマホはいじらずに過ごしました。
すると、何回も通っている道で気になるパン屋を発見したり、普段聞かないラジオで面白い番組を見つけたり、その日だけで新たな発見がいくつもありました。
その日から全くいじらないってことはないですが、スマホとは意識的に距離を取るようにしています。
あなたはスマホの充電が無くなったら、1日どのように過ごしますか?
いまや必要不可欠になりつつあるスマホとの時間を失うことによって、あなたはどうなってしまうでしょうか?
この物語の【失ったからこそそれ以上の最悪からは逃れられた】という教えとは少し違いますが、【失ったからこそ気付けること】があると思います。
家族や友達などとの会話のネタにしていただけると幸いです。
以上になります。ありがとうございました。
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